コーヒーを淹れる時に意識しているポイントはありますか?
自身が美味しいと思えるコーヒー、イメージする味わいのコーヒーを淹れるには様々な要素を変化させ、組み立てていく必要があります。
感覚的な部分も大事にしつつ、数値として目に見えるように表されるのがTDSと収率。
TDS・収率と聞くと難しそうですが、簡単に調節できる部分を意識すれば、大まかな味わいのコントロールは可能になります。
TDS
TDSとはtotal dissolved solidの略で、総溶解固形分という意味。
数値が低いほど不純物が少ないことを意味し、コーヒーに置き換えるなら数値が低いと薄い(クリーンな)コーヒー、高いと濃い(コクのある)コーヒーということになり、コーヒーのTDSは1.15~1.35%が適正とされています。
しかし、適正範囲なら必ず美味しいコーヒーになるというわけではなく、目安として捉えておくといいでしょう。
TDSを調べるには専用の機器が必要になるので数値化するには気軽ではありませんが、感覚的な味わいは以下の図のイメージになります。
収率
収率とは、化学的な方法で原料物質から目的の物質を取り出すとき、理論的に取り出せると仮定した最大量と実際に取り出せた量との割合を意味します。
コーヒーの場合。
コーヒー豆から成分を100%取り出せると仮定し、収率が20%だったとするなら、コーヒー豆から20%分の成分が取り出せたということになります。
コーヒーの適正な収率は18~22%とされていて、数値が範囲より低ければ酸っぱい味わいの未抽出、高ければ渋みのある過抽出のコーヒーということになります。
収率はTDSが分かれば次の計算式で求めることができます。
TDS×出来たコーヒーの量÷コーヒー豆の量=収率
TDS1.3、コーヒー量200g、豆量14gとすると、1.2×200÷14=18.57となり、適正範囲になります。
逆に言うと、出来上がりのコーヒーを200g、豆量を14gで抽出したら、数値的にはだいたい美味しいコーヒーになる可能性があるということです。
ただ、TDSと同様に、他の変数でも味わいが大きく変わるため、絶対に美味しいコーヒーになるわけではありません。
まとめ
TDSと収率は、コーヒーの味わいを数値化することで、感覚に捕らわれない安定した抽出が可能になります。
一方で、数値に頼るだけで美味しいコーヒーになるとも限りません。
数値と感覚、両方のバランスを加味して、理想の味わいを目指しましょう。
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