コーヒーの焙煎による苦味の生成
コーヒー=苦い。
というのは周知の事実ですが、苦みにも種類があり焙煎度によって変化していきます。
まず、コーヒーの成分として思いつくのがカフェインですが、味わいとしての苦味を感じる成分はカフェイン以外にもあります。
カフェインレスの深煎りのコーヒーも苦いことは想像できるでしょう。
では、焙煎の過程で生成される苦味の代表的な成分は何か。
- クロロゲン酸ラクトン(クロロゲン酸分解物):焙煎で生成され、深煎りで分解
- ビニルカテコールオリゴマー(クロロゲン酸分解物):焙煎で生成(更に進むと強すぎる苦味のビニルカテコールポリマーとなる可能性も)
- ジケトラピラジン類:焙煎でタンパク質から生成
- 褐色色素A、B、C(コーヒーメラノイジン):メイラード反応(アミノ酸などと糖類の反応)によって生成(A>B>Cの順に重厚、C→B→Aの順に生成)
- カラメル(コーヒーメラノイジン):カラメル化(糖類が反応)で生成
などが挙げられます。(百珈苑より引用)
褐色色素はお肉など、カラメルはプリンのカラメルなどをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
浅煎りから中煎りにかけては柔らかい苦味、深煎りほど強い苦味が優位になります。
また、焙煎による苦味と混同されやすい、欠点豆である「焦げ」があります。
焦げとはたんぱく質や糖質などの有機物が化学反応を起こすこと。水分が失われ、成分に含まれる炭素が酸素と結びつき炭化すること。
ザラザラとした舌触り・灰や薬品のような味わいで、ネガティブに捉えられます。
焙煎が深くなるにつれて焦げやすくなる理由の説明がつきます。
なので、口にする深煎りのコーヒーが心地よい苦味なのか、ただ焦げ臭い不快な味わいなのかで、印象は大きく異なります。
普段口にするコーヒーはどんな苦味なのか、考えてみてはいかがでしょうか。
コーヒーの個性を引き出し、甘みも感じられる飲み心地の良いコーヒー豆を焙煎。コーヒー片手にゆったりとした時間を。
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。